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トロミ剤について

いつもライフケアのホームページをご覧いただきありがとうございます。
今回は介護食の基本ともいえるトロミ剤に関する豆知識をご紹介します。

トロミ剤は食べ物や飲み物に加えて混ぜることで、
適度なとろみをつけ、食べ物を飲み込み易くすることができる粉末状の食品です。
その他にもミキサー食の分離を抑えたり、水にトロミをつけたりすることで薬を飲み込みやすくするといった利用方法もあります。

Q:トロミ剤はどういったリスクを持つ方に必要でしょうか?
A:正解は・・・・・嚥下障害(飲み込み)に問題を抱えている方に向いています。

たくさんの種類があるトロミ剤ですが、購入する前に少しだけ嚥下障害について基本を押さえておきましょう。

嚥下障害を引き起こす疾患には色々なものがありますが、特に脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、神経や筋疾患などが高い率で起こります。嚥下障害が起こると、食物摂取障害による「栄養低下」と、食べ物の気道への流入「誤嚥(ごえん)」による肺炎(嚥下性肺炎,誤嚥性肺炎)の発症のきっかけとなり得ます。
高齢者の肺炎の多くは、加齢による嚥下機能の低下による誤嚥によって引き起こされるともいわれ、高齢社会を迎えてその対応が問題になっています。

飲食中、おじいちゃん・おばあちゃんがむせているのを見て誤嚥していると心配になりますが、実は、飲食物が気管に入る前の段階で咽頭反射によって誤侵入を防ぐ為にむせています。なので、むせる事によって、しっかりと異物が輩出されている場合には誤嚥性肺炎のリスクが低いこともあります。
一概には言えませんが、むせることが出来ていない方がよりリスクが高い場合もあるかもしれません。


前置きが長くなりましたが、トロミ商品を選ぶ際に抑えておくポイントをご紹介します!

価格や売れ筋のほか、何となく聞いたことがあるメーカーの商品を選ぶ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、機能や特徴に大きな違いがある点については意外と知られていません。

市販されているトロミ剤は開発された時期によって成分が異なっていて、
大きく分けると第1世代から第3世代に分類する事が出来ます。

それぞれデンプン系(第1世代)、グアガム系(第2世代)、キサンタンガム系(第3世代)と呼ばれています。いずれも違う原料から作られており、後の世代ほど使いやすいよう改良が進められていると言えるでしょう。各世代の製品の特徴をご紹介します。

【第1世代:デンプン系】
・価格が安い。
・粘度が付き始めるのが早い。
・安定性が悪い。長時間維持できない。
・唾液や酵素成分の影響でトロミがほどけ易い。
・ニオイが付きやすく、味も変わる。
・カロリーとカリウム値が高い。
・ダマになり易い。

【第2世代:グアガム系】
・価格は少し高いものの、少量でトロミが付くので逆に経済的な場合もある。
・温度によって粘度の発現にバラつきが出る。
・使用量が多くなると極端に付着性が増す。
・経時変化が大きい。
・カロリーは低いが塩分濃度が高い。
・デンプン系より味やニオイが付きにくい。

【第3世代:キサンタンガム系】
・価格が高い。
・透明感が有る。色が付きにくい。
・味やニオイが非常に少ない。
・温度によって粘度の発現にバラつきが有る。
・時間が経っても変化が少ない。
・成分値が低いので、高血圧や透析患者でも使える。
・トロミの再調整が出来る。

いかがでしょうか?違いが分かると購入時の選び方も変わってくると思うので、
どの商品を使おうか悩まれている方は是非参考にしてみてください。